星うさ 大亜美 夜美奈を中心とした同人サイトです。苦手な方は閲覧されない事をお勧めします。
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動き出す恋の行方5
セーラームーンオンリーのレポを書こうかと思いましたが。
その前に、今までホオッテおいた星うさの続きをうpしますね。
今まで、拍手頂いていたり、綾里さんと月琉さんに「つづきは?ww」って聞かれる事があったのですが、なんか中々進まないし、もうお蔵入りでもいいかなぁと思っていたのですがww
気にして頂けるお人がたまにいて下さるのでw出来ている所まで晒したいと思いますwww
この物語は主に原作を元に創作しましが、俺設定満載です。ので、嫌な予感がされた方はスルーされる事をお勧めします。
その前に、今までホオッテおいた星うさの続きをうpしますね。
今まで、拍手頂いていたり、綾里さんと月琉さんに「つづきは?ww」って聞かれる事があったのですが、なんか中々進まないし、もうお蔵入りでもいいかなぁと思っていたのですがww
気にして頂けるお人がたまにいて下さるのでw出来ている所まで晒したいと思いますwww
この物語は主に原作を元に創作しましが、俺設定満載です。ので、嫌な予感がされた方はスルーされる事をお勧めします。
何年振りだろうか。
この星の地をもう一度踏む事が出来るだなんて。
ギャラクシアの奇襲で荒野と化した土地。
うさぎ達と出会う一年前には既に地球に降りていたので、この星から離れて実に三年近くになろうとしていたのだった。
「も、もしかしてファイターか?」
青く澄んだ空の下。
久しぶりに古郷の地を踏みしめて佇む4人に声をかける者がいた。
女性だけのこの場に似つかわしくない低い声が黒髪の彼女の名を呼んだ。
声がする方へ振り返るとまるで幽霊を見たかのように口をパクパクさせて驚いている男が立っていた。
「ヒーラー、メイカーも。やっぱりお前らも無事だったんだな?」
「貴方は?」
「ミゼルじゃない!」
半信半疑のメイカーの言葉の後に
ヒーラーは嬉しそうに叫んだ。
「ミゼルも、無事だったのね」
「あぁ、俺だけじゃないさ。城の方へ早く帰ろう。みんな喜ぶだろう」
「私もおりますよ」
ヒーラーとメイカーの陰で見えなかった火球がひょこっと無邪気に顔をのぞかせた。
凛々しく神々しいくらいの姫は、月の姫に出会い、今のその姿は地球でいう歳相応の女の子のようだ。
「かっ火球様。ご無事で!」
ミゼルは、その姿をしっかりと瞳に焼付けると、そして目を潤わせた。
ファイター達3人も顔を見合わてキラキラと微笑んだ。
「火球様にも是非にお会いして頂きたいお方がおります」
ミゼルの興奮は冷めそうにない。当然だろう。
「んっんんっ」
今にも喜び勇んで火球に飛びついてしまいそうなミゼルに、メイカーが落ち着けと咳払いをする。
それに気がついたミゼルは、顔を赤く染めて冷静さを取り戻した。
「はっ、このような姿でもうしわけございません。しかも火球様の戦士である私がこのように取り乱してしまい。すぐに気がつきませなんだ」
すると、ライツと同じ女性戦士の姿になると膝を着き頭を垂れたのだった。
キンモク星に帰って来て地球でいう10ヵ月という月日が過ぎていた。
城の復旧も終わり数日後にはそれを記念し祝賀パーティーが催される。
ファイター達もその準備に加わり時間に追われていた。
城下はまだ復旧作業に追われているところもあったが、この時ばかりは、皆楽しもうと心は躍りお祭りムードに溢れ酔いしれた。
あちらこちらから聞こえる軽快な音楽に耳を傾け、しばしの休息を取っていたファイターに声を掛ける者がいた。
「ファイター、ちょっといいか?」
「え?えぇ」
ミゼルだった。
ミゼルが、ファイターにこっちだと手招きをするので彼の大きな背中を眺めながらついて行く。
連れて来られたのは以前にはなかった、中庭であった。
そこに設置された調度品のように細かな細工を施してある椅子に二人は静かに腰を下ろす。
丁度、視線の先には新たな若い戦士達が訓練をしているところであった。
二人はしばらくその様子を目で追う。
「ヒーラー、変わったな」
ミゼルの問いが突然の事で驚く。聞こえていたのに思わずまた聞き直していた。
「今までプリンセスの為には一生懸命だったけど。王宮の史書室の修復殆どあいつがやったんだって?驚いたよ」
「ええ。彼は変わったわ。メイカーもね」
目を細めとても嬉しそうに話す彼女。
こんな風に笑う彼女は最近は二人の話をする時だけ。
どことなく様子がおかしいと彼女を
ミゼルだけでなく、他の古い仲間たちも気が付き心配をしている。勿論心優しいプリンセスも例外ではなかった。
「お前達が担当している新しい戦士達はどうだ?」
「順調よ。もう教える事なんてないくらいに。なんていうか、素質があるというか・・・。
祝賀式典でプンセスに初お目見えの予定よ」
「そうか。噂は聞いてるよ。歴代の戦士達を凌ぐ程の力の持ち主が揃い踏みだとか」
「ええ」
ミゼルは、そう応え安堵し微笑む彼女に、ライツの三人が帰って来てからずっと気になっていた事を質問した。
「しかし、最近はその姿の方が多いな」
「え?」
「メイカーとヒーラーは元の姿でいる方が多いが」
「...そうね」
「何か理由でも?」お前達のいた地球とやらで何かあったのか?―と。続けようとしたがファイターの肩がビクッと揺れたことでそれ以上の事は聞かなかった。
「はぁーん。失恋か」
「そんなんじゃ」
ミゼルの視線を避けるように地面を見るファイターに対して彼は仕方なく伏し目がちに空を見上げた。
「火球様の御前ではないのにどうしてその出で立ちでいるんだ。今は別に女でいなくてもよかろう」
常に核心をついてくる古い仲間に対しごまかしは効かないらしい。
ここでは、男と女いう概念は地球とでは少し違う。
雌雄同体というのも少し違うだろうか。地球の様に男と女が存在しているのだが元の性別の他に第3の性がこの星の人間には存在する。男で産まれ男で一生を終わる者。女で産まれ女で一生を終わる者。そして、この第3の性は男女のどちらにも値しなく、そのどちらでもあった。
中には男で有る時と女で有る時の人格が別である者もいた。
何というか。ファイターをはじめメイカーもヒーラーもそしてこのミゼルも元々男として産まれたが、第3の性によって女にもなれるのである。ミゼルの場合は、男であっても女であっても人格は同じであったが。
星を納める皇族に仕える戦士は同性でなければならないといった性に関する掟が古からこの星にはあった。性別を簡単に変える事が出来る第3の性の持ち主の為に作られたのであろう。
となると、自ずとプリンセスに仕えるセーラー戦士も女と決まる。代々王宮に仕える家庭に生まれたファイターは、兄や姉のように己の道を戦士になる事を幼い時から決めていた。彼は女性の身体に変える事で戦士としての力を発揮できた為女性皇族の戦士になる事が決まった。なかでも実力者は皇女のセーラー戦士になれる。彼は選ばれた。ここにいるメイカーもヒーラーも自分と同じであった。
勿論女性のままで、戦士としての力を発揮するものもあれば、女性が男形になる事で力を得る者もいた。
この星は、女性皇女が主権を握ると遥か昔から定められている。
ファイターは、女性の身体に変える事で戦士としての力を発揮できたが為、女性皇族の戦士になる事が決まった。
なかでも実力者は皇女のセーラー戦士になれる。
太陽系のセーラー戦士達は、転生を繰り返しているのに対しキンモク星のセーラー戦士は、その時代の実力者が担う事になっていた。
戦士達は自ら王宮仕えを志願し、ここにいる。
ミゼルの問い掛けに黙ってしまったファイターにもう一人、声を掛ける者が現れた。先程、彼等の視線の先にいた訓練生の一人。中でも今期最も期待されている女、ベネトナーシュであった。キラキラと眩しい彼女は嘗ての皇女の近衛の任務に着いたかばかりの自分の姿と重なる。この世界は自分が守るものだと疑わなかった自信と希望と確信に満ち溢れていた頃のように。
「どうしたの?」
「いえ、貴女様のお姿を向こうから拝見したもので。お悩みのようならこの私もお力添え出来ればと思いまして」
そう話すとミゼルの顔を見た。
メイカーとヒーラーも心配をしてる。だが彼等に聞いてもお前が何に悩んでいるのか話をしてくれないのだ。
二人の熱心な瞳に心をうたれたファイターは、観念したのかフゥと一呼吸を入れると地球での出来事を語りはじめた。そう後に銀河一身分違いの片思いと自ら称した淡い恋の話を。
「皆には迷惑をかけるわね」
彼女は記憶を遡り、二人にわかりやすく丁寧に話をはじめるのだった。
この星はあまり雨というものが降らない。
今日も変わらず晴天に恵まれ、城下の民達も晴れやかな面持ちで城の門をくぐって行く。
この日ばかりは城内に入る事を許された。
沢山の料理と酒が並び花も至る所に飾られた。
ギャラクシアの襲来後、この星の民も例外ではなく、セーラームーンの力によって復活を遂げた。後に荒れ果てた土を耕し、植物を植、懸命に育てた。何時かこのような穏やかで活気溢れる日が訪れる事を信じて。
トランペットに似たラッパのファンファーレが流れた。観衆の心は一気に躍動し、高まった。
火球とその愛するプリンスが手と手を取り合って仲睦まじく大衆の前に姿を現したのだ。皆の頭上に迫り出したエントランスホールから火球の姿を見つけると割れんばかりの拍手と歓声が上がる。中には感極まり涙を流す者もいた。
二人の姿はこの星の再生と未来永劫の自由を希望を国民に与え、また言葉はそれを誓うと宣言したのだった。
このプリンスとは、火球皇女が以前より想いを寄せていた人物である。ギャラクシア襲来の際、火球をかばい、命を落としたが彼もこうして他の民と共にこうして蘇る事ができた。
場所は変わり式典は厳かに行なわれた。ファイターもヒーラーもメイカーもその仲間達と共に祝杯を交わすのだった。
そして、宴も丈縄といったところだろうか。
城内でのダンスパーティーも音楽が演んだ事で終りを迎えた。
その様子を高座から眺めていた、プリンセスとプリンスの二人が立ち上がるとそれを察した大衆達も自然と二人に注目をする。
キラキラと眩しい光の下で話す皇女はその光にも負けない、いや。それを自らに纏い美しく輝いていた。皆その姿をうっとりと眺め、メイカーもヒーラーも今日はセーラー戦士として女性の姿で彼女の傍らに座して耳を傾けていた。
今日は復興パーティーと銘打っていたのだが、新しいセーラー戦士達の披露宴も兼ねていた。
若く力のみなぎった戦士達が10人程、列をなし皇女の前へ現れるとその後、膝をつくと一斉に頭を垂れた。
端から順に紹介がされ挨拶代わりの演武が行われた。勿論ベネトナーシュもいた。皆、歳は14、5歳といったところだろう。自分達と差程変わらない筈だが。予てからの噂通りの実力の持ち主であった。元々の差が違い過ぎる。彼等は何事においても自分達より長けていた。彼等がギャラクシア襲来の際、戦士として開花してくれていたならばと思ってしまう位に。民衆達もそれを感じ取ったのだろう。歴代の戦士達以上のパワーに圧倒され歓喜したのだった。
そしてもう一つ民衆にとって心踊る話があった。予てからプリンセスとプリンスは婚約をしていたのだが、正式に婚儀の日程が発表されたのである。側近の者達は知らされていて今日の式典と同時に準備に取り掛かっている者もいたのだったが、プリンセス奪還に貢献したライツの三人には仲間達がサプライズといわんばかりに内密にしていた。
民衆と共に驚くライツに同僚達はクスクスとイタズラっ子のように笑った。
「もう、私達三人だけ除け者だなんて酷い話だわ」
それぞれの自室に帰る廊下を歩きながら
唇を尖らせて話すヒーラーをメイカーが咎める。
「まぁまぁ。でも、再来月には式が催される様ですから私達も手伝いましょう。ねぇ、ファイター」
ファイターは返事の代わりのとびきりの笑顔を二人に見せた。
久々に肩を並べて歩く三人の後ろ姿はとても晴れやかだった。
今度はプリンセスとプリンスの婚儀に向けての準備を余儀なくされ、またも忙しい日々を過ごす事になった彼らだが、嬉しいニュースの為、作業は苦ではなかった。一日の終わりには歌を唄い酒を呑み交わし踊りを踊って時が過ぎて行った。ただ、
そんな中、ファイターだけは作り笑いが増えていくようであった。
日が過ぎるのは早く、明日に婚儀を控えたプリンスにファイター始めスターライツの3人が玉座のある部屋へ呼ばれた。
「プリンセスはどうしてファイターでなく星野を呼ぶんだろ?」
「本当ですね。プリンセスの御前では、女性の姿が鉄則であるのに」
疑問を抱く2人に対し夜天はなんとなく察していた。きっと自分達を地球へ。
夜天に声を掛けられ気が付くと目の前には大きな扉が座していた。扉の前には番をする同僚が二人立っている。挨拶を済ますと重厚な扉に手を伸ばし中へ入る許可を得る為に部屋に要るであろう人物へ声を掛ける。直ぐに美しく澄んだ声が快諾の返事を返す。
大広間の上座には火球皇女とプリンスが席を並べて鎮座している。
3人は二人の眼下まで歩み寄ると膝をおり頭を垂れた。
「君達のお陰で滞りなく準備が終わったようだ。
感謝する」
プリンスから感謝の言葉を述べられる。隣りに座っているプリンセスからも同じ様に礼の言葉を述べられた。深々と頭を垂れる3人に火球皇女続けた。
「貴方達、私達の婚儀が終わったら地球へ立ちなさい」
この事を察していた夜天とは違い、優しく微笑む壇上の二人に驚きを隠せない星野と大気であった。
「火球から話は聞いている。月のプリンセスとその戦士達との共闘と活躍。何より倒れた私の変わりに、愛する火球の救出には感謝しきれない程だ。この銀河の平和と秩序をギャラクシアから奪還したそなた達には自らの幸せを今後第一に考えて欲しいと思っている」
「プリンス」
「プリンスッ」
「どうしたのですか?星野あまり浮かない顔をしているようですが」
プリンセスの問に星野は申し訳なさそうに答えた。
「地球へは、大気と夜天二人だけ行かせてやって下さい。私は行きません。この星に残ります」
火球は星野が断る理由も分かっていたが、それでもあえて聞いた。
「何故ですか?」
煮えきらない答えが返って来るのも分っていながら。
「私には後輩達の育成という使命が残っております。ですから、その地球へはー」
「恐れながら、プリンス、プリンセス失礼致します」
話の途中でベネトナーシュが一人部屋へ入って来た。
主君等を前にしても物怖じせず凛としてと歩く姿は星野のをはじめ誰が見ても眩しかった。話の腰を折られた星野は黙るしかなく彼女の動向を見守る事となった。彼女は星野達3人の後ろへ身を置くと同じ様に膝を折り頭を垂れた。
「貴女はベネトナーシュでしたね。どうしましたか」
「ファイター殿がどう申されても、彼は地球へ立つべきだと考えます」
「ベネトナーシュお前達にはまだ教える事がー」
突然の申し出に思わず声を荒らげていた。
しかし、そんな星野に物怖じすることなく彼女はプリンセスに話を続けた。
「否、ございません。このベネトナーシュはじめ、私達はとうにスターライツを超えました。故にこれ以上、彼女等に何を教わる事がございましょう」
「お前何を言って」
やはり星野の視線を物ともせず、ベネトナーシュは主君らを真っ直ぐにみた。
「はっきりと申し上げます。ファイター殿は足手まといにございます」
広い広いこの玉座の間の空気が全て凍ったかようだった。
その位、彼女の言葉は冷たくいい放たれた。大気も夜天も息を呑む。あれだけ自分達を特にファイターを尊敬していたベネトナーシュが、彼女を足手まとい呼ばわりとはおかしいと。
そして更に追い討ちをかけるように話すが。
「私だけの思いではございません。私の仲間達も、ファイター殿の同期生である、ミゼル様もそう申されております」
星野に有無を言わせずプリンスが続いた。
「そうか、それは仕方あるまい」
ベネトナーシュの芝居を察したプリンスがプリンセスと顔を見合わせている。そして、大気と夜天に向かい笑みを投げかけた。一人分からずにいる星野に向き直す。
「私も同感だ。最近の君には何か覇気が感じられない。その様子では有事の際命を落とすことになるぞ」
「プリンス?私は。。。」
「だから行きなさい。地球へ。以前の活気あふれる自分を取り戻す為に」
プリンセスも手を口に当て優しく頷いている。全ては頑なに行かぬという星野を説得するため。
プリンセスには何もかもお見通しだった。星野のうさぎへの思い。
そしてうさぎも星野に惹かれはじめていた本人すらもまだ気付く事ない想いもこれから未来に縛られる葛藤をも。本心を言えば彼等にとって納得のいく別れをしていない事も。そんな二人にもう一度チャンスを与えたいと。
「今回の地球へ話、ミゼルから申し出があったのですよ。皆、元気のないあなたを心配しています。ここは、大丈夫です。ベネトナーシュ等を立派な戦士に育ててくれて有難う」
「プリンセス。。」
顔を伏せてしまっていた星野の肩に大気と夜天は手を置いた。
「星野一緒に行きましょう」
「ふふ。僕、歌うのは嫌いじゃないんだ」
「お前ら」
星野は仕方無く静かに頷いた。そして、ベネトナーシュを見ると
「確かにお前達は、俺等を超える程の力がある。でもな...チームワークは俺達から比べたらまだまだ足元にもおよばないぜ」
大気と夜天の肩を両腕で力いっぱい抱いた。
「馬鹿だね」
「ふふ。でもそれが彼の良いところなんですよ」
ベネトナーシュはまだ分かっていないだろう星野を見て驚いたが、彼女もまた一杯の笑顔で答えた。
「はい。でも私達は、必ずあなた方を超えます」
ここへ帰って来てはじめて声を出して笑った。
「うっ」
目を覚ましたと同時に身体中に痛みが走る。
視界に入って来たのは、俺の手を握り泣きじゃくるおだんごと仲間達。
そして、
「大丈夫か?」
衛さんだった。夢を見ていたのか。俺はダイモーンの攻撃から衛さんを
庇った事を思い出した。
「このままでいろ。完全には治すことは出来ないが」
衛さんに抱えられていた俺は、彼の腕から温かいエナジーが自分の身体の中に送り込まれて行くのを感じる。身体が軽くなっていく。
「衛さん」
「星野君。君には負けたよ。完敗だ」
星野は驚いて見上げた。目が合うと不思議と彼は笑顔であった。
「うさこも聞いてくれ」
衛はひと呼吸すると話を続けた。
「星野君。これからもうさこを守ってやってくれないか」
「まもちゃっ」
星野の手を握っているながらうさぎの手は震えていた。
「君は星野君が好きなんだろう。もう隠さなくていいんだ。君の口から聞かせてくれ」
衛の言葉にうさぎは一気に泣き崩れた。星野も身体を起こすと彼女の背に手を置く。
顔を覆って涙するうさぎの肩に美奈子が駆け寄ると彼女もまた手を乗せた。そしてまこと、亜美と続いた。次々とうさぎの名を呼ぶ。
「美奈子ちゃん、まこちゃん、亜美ちゃん」
皆。
「私もいるわよ」
最後まで頑なに反対していたレイだったが、一連の流れを見ていて気持ちの整理がついたのだった。うさぎの為にあろうと決し、皆の手の上に自身の手を重ねた。4人の心がうさぎへと届く。
「レイちゃん」
「私は星野が好き。星野が星に帰って気がついたの。自分の気持ちに」
「おだんご」
「まもちゃんがいない間も、ずっと私の側にいてくれて守ってくれて。私は星野が好き。好きな。。。の。。こんな我がままな話が許されるわけないと思ってた。そうなの、そんな事は許されないのよ。だって、私達の未来にはちびうさがー」
「ちょっとうさぎぃ。何、私が生まれて来ないって決め付けてるのよ?」
「へ?」
この星の地をもう一度踏む事が出来るだなんて。
ギャラクシアの奇襲で荒野と化した土地。
うさぎ達と出会う一年前には既に地球に降りていたので、この星から離れて実に三年近くになろうとしていたのだった。
「も、もしかしてファイターか?」
青く澄んだ空の下。
久しぶりに古郷の地を踏みしめて佇む4人に声をかける者がいた。
女性だけのこの場に似つかわしくない低い声が黒髪の彼女の名を呼んだ。
声がする方へ振り返るとまるで幽霊を見たかのように口をパクパクさせて驚いている男が立っていた。
「ヒーラー、メイカーも。やっぱりお前らも無事だったんだな?」
「貴方は?」
「ミゼルじゃない!」
半信半疑のメイカーの言葉の後に
ヒーラーは嬉しそうに叫んだ。
「ミゼルも、無事だったのね」
「あぁ、俺だけじゃないさ。城の方へ早く帰ろう。みんな喜ぶだろう」
「私もおりますよ」
ヒーラーとメイカーの陰で見えなかった火球がひょこっと無邪気に顔をのぞかせた。
凛々しく神々しいくらいの姫は、月の姫に出会い、今のその姿は地球でいう歳相応の女の子のようだ。
「かっ火球様。ご無事で!」
ミゼルは、その姿をしっかりと瞳に焼付けると、そして目を潤わせた。
ファイター達3人も顔を見合わてキラキラと微笑んだ。
「火球様にも是非にお会いして頂きたいお方がおります」
ミゼルの興奮は冷めそうにない。当然だろう。
「んっんんっ」
今にも喜び勇んで火球に飛びついてしまいそうなミゼルに、メイカーが落ち着けと咳払いをする。
それに気がついたミゼルは、顔を赤く染めて冷静さを取り戻した。
「はっ、このような姿でもうしわけございません。しかも火球様の戦士である私がこのように取り乱してしまい。すぐに気がつきませなんだ」
すると、ライツと同じ女性戦士の姿になると膝を着き頭を垂れたのだった。
キンモク星に帰って来て地球でいう10ヵ月という月日が過ぎていた。
城の復旧も終わり数日後にはそれを記念し祝賀パーティーが催される。
ファイター達もその準備に加わり時間に追われていた。
城下はまだ復旧作業に追われているところもあったが、この時ばかりは、皆楽しもうと心は躍りお祭りムードに溢れ酔いしれた。
あちらこちらから聞こえる軽快な音楽に耳を傾け、しばしの休息を取っていたファイターに声を掛ける者がいた。
「ファイター、ちょっといいか?」
「え?えぇ」
ミゼルだった。
ミゼルが、ファイターにこっちだと手招きをするので彼の大きな背中を眺めながらついて行く。
連れて来られたのは以前にはなかった、中庭であった。
そこに設置された調度品のように細かな細工を施してある椅子に二人は静かに腰を下ろす。
丁度、視線の先には新たな若い戦士達が訓練をしているところであった。
二人はしばらくその様子を目で追う。
「ヒーラー、変わったな」
ミゼルの問いが突然の事で驚く。聞こえていたのに思わずまた聞き直していた。
「今までプリンセスの為には一生懸命だったけど。王宮の史書室の修復殆どあいつがやったんだって?驚いたよ」
「ええ。彼は変わったわ。メイカーもね」
目を細めとても嬉しそうに話す彼女。
こんな風に笑う彼女は最近は二人の話をする時だけ。
どことなく様子がおかしいと彼女を
ミゼルだけでなく、他の古い仲間たちも気が付き心配をしている。勿論心優しいプリンセスも例外ではなかった。
「お前達が担当している新しい戦士達はどうだ?」
「順調よ。もう教える事なんてないくらいに。なんていうか、素質があるというか・・・。
祝賀式典でプンセスに初お目見えの予定よ」
「そうか。噂は聞いてるよ。歴代の戦士達を凌ぐ程の力の持ち主が揃い踏みだとか」
「ええ」
ミゼルは、そう応え安堵し微笑む彼女に、ライツの三人が帰って来てからずっと気になっていた事を質問した。
「しかし、最近はその姿の方が多いな」
「え?」
「メイカーとヒーラーは元の姿でいる方が多いが」
「...そうね」
「何か理由でも?」お前達のいた地球とやらで何かあったのか?―と。続けようとしたがファイターの肩がビクッと揺れたことでそれ以上の事は聞かなかった。
「はぁーん。失恋か」
「そんなんじゃ」
ミゼルの視線を避けるように地面を見るファイターに対して彼は仕方なく伏し目がちに空を見上げた。
「火球様の御前ではないのにどうしてその出で立ちでいるんだ。今は別に女でいなくてもよかろう」
常に核心をついてくる古い仲間に対しごまかしは効かないらしい。
ここでは、男と女いう概念は地球とでは少し違う。
雌雄同体というのも少し違うだろうか。地球の様に男と女が存在しているのだが元の性別の他に第3の性がこの星の人間には存在する。男で産まれ男で一生を終わる者。女で産まれ女で一生を終わる者。そして、この第3の性は男女のどちらにも値しなく、そのどちらでもあった。
中には男で有る時と女で有る時の人格が別である者もいた。
何というか。ファイターをはじめメイカーもヒーラーもそしてこのミゼルも元々男として産まれたが、第3の性によって女にもなれるのである。ミゼルの場合は、男であっても女であっても人格は同じであったが。
星を納める皇族に仕える戦士は同性でなければならないといった性に関する掟が古からこの星にはあった。性別を簡単に変える事が出来る第3の性の持ち主の為に作られたのであろう。
となると、自ずとプリンセスに仕えるセーラー戦士も女と決まる。代々王宮に仕える家庭に生まれたファイターは、兄や姉のように己の道を戦士になる事を幼い時から決めていた。彼は女性の身体に変える事で戦士としての力を発揮できた為女性皇族の戦士になる事が決まった。なかでも実力者は皇女のセーラー戦士になれる。彼は選ばれた。ここにいるメイカーもヒーラーも自分と同じであった。
勿論女性のままで、戦士としての力を発揮するものもあれば、女性が男形になる事で力を得る者もいた。
この星は、女性皇女が主権を握ると遥か昔から定められている。
ファイターは、女性の身体に変える事で戦士としての力を発揮できたが為、女性皇族の戦士になる事が決まった。
なかでも実力者は皇女のセーラー戦士になれる。
太陽系のセーラー戦士達は、転生を繰り返しているのに対しキンモク星のセーラー戦士は、その時代の実力者が担う事になっていた。
戦士達は自ら王宮仕えを志願し、ここにいる。
ミゼルの問い掛けに黙ってしまったファイターにもう一人、声を掛ける者が現れた。先程、彼等の視線の先にいた訓練生の一人。中でも今期最も期待されている女、ベネトナーシュであった。キラキラと眩しい彼女は嘗ての皇女の近衛の任務に着いたかばかりの自分の姿と重なる。この世界は自分が守るものだと疑わなかった自信と希望と確信に満ち溢れていた頃のように。
「どうしたの?」
「いえ、貴女様のお姿を向こうから拝見したもので。お悩みのようならこの私もお力添え出来ればと思いまして」
そう話すとミゼルの顔を見た。
メイカーとヒーラーも心配をしてる。だが彼等に聞いてもお前が何に悩んでいるのか話をしてくれないのだ。
二人の熱心な瞳に心をうたれたファイターは、観念したのかフゥと一呼吸を入れると地球での出来事を語りはじめた。そう後に銀河一身分違いの片思いと自ら称した淡い恋の話を。
「皆には迷惑をかけるわね」
彼女は記憶を遡り、二人にわかりやすく丁寧に話をはじめるのだった。
この星はあまり雨というものが降らない。
今日も変わらず晴天に恵まれ、城下の民達も晴れやかな面持ちで城の門をくぐって行く。
この日ばかりは城内に入る事を許された。
沢山の料理と酒が並び花も至る所に飾られた。
ギャラクシアの襲来後、この星の民も例外ではなく、セーラームーンの力によって復活を遂げた。後に荒れ果てた土を耕し、植物を植、懸命に育てた。何時かこのような穏やかで活気溢れる日が訪れる事を信じて。
トランペットに似たラッパのファンファーレが流れた。観衆の心は一気に躍動し、高まった。
火球とその愛するプリンスが手と手を取り合って仲睦まじく大衆の前に姿を現したのだ。皆の頭上に迫り出したエントランスホールから火球の姿を見つけると割れんばかりの拍手と歓声が上がる。中には感極まり涙を流す者もいた。
二人の姿はこの星の再生と未来永劫の自由を希望を国民に与え、また言葉はそれを誓うと宣言したのだった。
このプリンスとは、火球皇女が以前より想いを寄せていた人物である。ギャラクシア襲来の際、火球をかばい、命を落としたが彼もこうして他の民と共にこうして蘇る事ができた。
場所は変わり式典は厳かに行なわれた。ファイターもヒーラーもメイカーもその仲間達と共に祝杯を交わすのだった。
そして、宴も丈縄といったところだろうか。
城内でのダンスパーティーも音楽が演んだ事で終りを迎えた。
その様子を高座から眺めていた、プリンセスとプリンスの二人が立ち上がるとそれを察した大衆達も自然と二人に注目をする。
キラキラと眩しい光の下で話す皇女はその光にも負けない、いや。それを自らに纏い美しく輝いていた。皆その姿をうっとりと眺め、メイカーもヒーラーも今日はセーラー戦士として女性の姿で彼女の傍らに座して耳を傾けていた。
今日は復興パーティーと銘打っていたのだが、新しいセーラー戦士達の披露宴も兼ねていた。
若く力のみなぎった戦士達が10人程、列をなし皇女の前へ現れるとその後、膝をつくと一斉に頭を垂れた。
端から順に紹介がされ挨拶代わりの演武が行われた。勿論ベネトナーシュもいた。皆、歳は14、5歳といったところだろう。自分達と差程変わらない筈だが。予てからの噂通りの実力の持ち主であった。元々の差が違い過ぎる。彼等は何事においても自分達より長けていた。彼等がギャラクシア襲来の際、戦士として開花してくれていたならばと思ってしまう位に。民衆達もそれを感じ取ったのだろう。歴代の戦士達以上のパワーに圧倒され歓喜したのだった。
そしてもう一つ民衆にとって心踊る話があった。予てからプリンセスとプリンスは婚約をしていたのだが、正式に婚儀の日程が発表されたのである。側近の者達は知らされていて今日の式典と同時に準備に取り掛かっている者もいたのだったが、プリンセス奪還に貢献したライツの三人には仲間達がサプライズといわんばかりに内密にしていた。
民衆と共に驚くライツに同僚達はクスクスとイタズラっ子のように笑った。
「もう、私達三人だけ除け者だなんて酷い話だわ」
それぞれの自室に帰る廊下を歩きながら
唇を尖らせて話すヒーラーをメイカーが咎める。
「まぁまぁ。でも、再来月には式が催される様ですから私達も手伝いましょう。ねぇ、ファイター」
ファイターは返事の代わりのとびきりの笑顔を二人に見せた。
久々に肩を並べて歩く三人の後ろ姿はとても晴れやかだった。
今度はプリンセスとプリンスの婚儀に向けての準備を余儀なくされ、またも忙しい日々を過ごす事になった彼らだが、嬉しいニュースの為、作業は苦ではなかった。一日の終わりには歌を唄い酒を呑み交わし踊りを踊って時が過ぎて行った。ただ、
そんな中、ファイターだけは作り笑いが増えていくようであった。
日が過ぎるのは早く、明日に婚儀を控えたプリンスにファイター始めスターライツの3人が玉座のある部屋へ呼ばれた。
「プリンセスはどうしてファイターでなく星野を呼ぶんだろ?」
「本当ですね。プリンセスの御前では、女性の姿が鉄則であるのに」
疑問を抱く2人に対し夜天はなんとなく察していた。きっと自分達を地球へ。
夜天に声を掛けられ気が付くと目の前には大きな扉が座していた。扉の前には番をする同僚が二人立っている。挨拶を済ますと重厚な扉に手を伸ばし中へ入る許可を得る為に部屋に要るであろう人物へ声を掛ける。直ぐに美しく澄んだ声が快諾の返事を返す。
大広間の上座には火球皇女とプリンスが席を並べて鎮座している。
3人は二人の眼下まで歩み寄ると膝をおり頭を垂れた。
「君達のお陰で滞りなく準備が終わったようだ。
感謝する」
プリンスから感謝の言葉を述べられる。隣りに座っているプリンセスからも同じ様に礼の言葉を述べられた。深々と頭を垂れる3人に火球皇女続けた。
「貴方達、私達の婚儀が終わったら地球へ立ちなさい」
この事を察していた夜天とは違い、優しく微笑む壇上の二人に驚きを隠せない星野と大気であった。
「火球から話は聞いている。月のプリンセスとその戦士達との共闘と活躍。何より倒れた私の変わりに、愛する火球の救出には感謝しきれない程だ。この銀河の平和と秩序をギャラクシアから奪還したそなた達には自らの幸せを今後第一に考えて欲しいと思っている」
「プリンス」
「プリンスッ」
「どうしたのですか?星野あまり浮かない顔をしているようですが」
プリンセスの問に星野は申し訳なさそうに答えた。
「地球へは、大気と夜天二人だけ行かせてやって下さい。私は行きません。この星に残ります」
火球は星野が断る理由も分かっていたが、それでもあえて聞いた。
「何故ですか?」
煮えきらない答えが返って来るのも分っていながら。
「私には後輩達の育成という使命が残っております。ですから、その地球へはー」
「恐れながら、プリンス、プリンセス失礼致します」
話の途中でベネトナーシュが一人部屋へ入って来た。
主君等を前にしても物怖じせず凛としてと歩く姿は星野のをはじめ誰が見ても眩しかった。話の腰を折られた星野は黙るしかなく彼女の動向を見守る事となった。彼女は星野達3人の後ろへ身を置くと同じ様に膝を折り頭を垂れた。
「貴女はベネトナーシュでしたね。どうしましたか」
「ファイター殿がどう申されても、彼は地球へ立つべきだと考えます」
「ベネトナーシュお前達にはまだ教える事がー」
突然の申し出に思わず声を荒らげていた。
しかし、そんな星野に物怖じすることなく彼女はプリンセスに話を続けた。
「否、ございません。このベネトナーシュはじめ、私達はとうにスターライツを超えました。故にこれ以上、彼女等に何を教わる事がございましょう」
「お前何を言って」
やはり星野の視線を物ともせず、ベネトナーシュは主君らを真っ直ぐにみた。
「はっきりと申し上げます。ファイター殿は足手まといにございます」
広い広いこの玉座の間の空気が全て凍ったかようだった。
その位、彼女の言葉は冷たくいい放たれた。大気も夜天も息を呑む。あれだけ自分達を特にファイターを尊敬していたベネトナーシュが、彼女を足手まとい呼ばわりとはおかしいと。
そして更に追い討ちをかけるように話すが。
「私だけの思いではございません。私の仲間達も、ファイター殿の同期生である、ミゼル様もそう申されております」
星野に有無を言わせずプリンスが続いた。
「そうか、それは仕方あるまい」
ベネトナーシュの芝居を察したプリンスがプリンセスと顔を見合わせている。そして、大気と夜天に向かい笑みを投げかけた。一人分からずにいる星野に向き直す。
「私も同感だ。最近の君には何か覇気が感じられない。その様子では有事の際命を落とすことになるぞ」
「プリンス?私は。。。」
「だから行きなさい。地球へ。以前の活気あふれる自分を取り戻す為に」
プリンセスも手を口に当て優しく頷いている。全ては頑なに行かぬという星野を説得するため。
プリンセスには何もかもお見通しだった。星野のうさぎへの思い。
そしてうさぎも星野に惹かれはじめていた本人すらもまだ気付く事ない想いもこれから未来に縛られる葛藤をも。本心を言えば彼等にとって納得のいく別れをしていない事も。そんな二人にもう一度チャンスを与えたいと。
「今回の地球へ話、ミゼルから申し出があったのですよ。皆、元気のないあなたを心配しています。ここは、大丈夫です。ベネトナーシュ等を立派な戦士に育ててくれて有難う」
「プリンセス。。」
顔を伏せてしまっていた星野の肩に大気と夜天は手を置いた。
「星野一緒に行きましょう」
「ふふ。僕、歌うのは嫌いじゃないんだ」
「お前ら」
星野は仕方無く静かに頷いた。そして、ベネトナーシュを見ると
「確かにお前達は、俺等を超える程の力がある。でもな...チームワークは俺達から比べたらまだまだ足元にもおよばないぜ」
大気と夜天の肩を両腕で力いっぱい抱いた。
「馬鹿だね」
「ふふ。でもそれが彼の良いところなんですよ」
ベネトナーシュはまだ分かっていないだろう星野を見て驚いたが、彼女もまた一杯の笑顔で答えた。
「はい。でも私達は、必ずあなた方を超えます」
ここへ帰って来てはじめて声を出して笑った。
「うっ」
目を覚ましたと同時に身体中に痛みが走る。
視界に入って来たのは、俺の手を握り泣きじゃくるおだんごと仲間達。
そして、
「大丈夫か?」
衛さんだった。夢を見ていたのか。俺はダイモーンの攻撃から衛さんを
庇った事を思い出した。
「このままでいろ。完全には治すことは出来ないが」
衛さんに抱えられていた俺は、彼の腕から温かいエナジーが自分の身体の中に送り込まれて行くのを感じる。身体が軽くなっていく。
「衛さん」
「星野君。君には負けたよ。完敗だ」
星野は驚いて見上げた。目が合うと不思議と彼は笑顔であった。
「うさこも聞いてくれ」
衛はひと呼吸すると話を続けた。
「星野君。これからもうさこを守ってやってくれないか」
「まもちゃっ」
星野の手を握っているながらうさぎの手は震えていた。
「君は星野君が好きなんだろう。もう隠さなくていいんだ。君の口から聞かせてくれ」
衛の言葉にうさぎは一気に泣き崩れた。星野も身体を起こすと彼女の背に手を置く。
顔を覆って涙するうさぎの肩に美奈子が駆け寄ると彼女もまた手を乗せた。そしてまこと、亜美と続いた。次々とうさぎの名を呼ぶ。
「美奈子ちゃん、まこちゃん、亜美ちゃん」
皆。
「私もいるわよ」
最後まで頑なに反対していたレイだったが、一連の流れを見ていて気持ちの整理がついたのだった。うさぎの為にあろうと決し、皆の手の上に自身の手を重ねた。4人の心がうさぎへと届く。
「レイちゃん」
「私は星野が好き。星野が星に帰って気がついたの。自分の気持ちに」
「おだんご」
「まもちゃんがいない間も、ずっと私の側にいてくれて守ってくれて。私は星野が好き。好きな。。。の。。こんな我がままな話が許されるわけないと思ってた。そうなの、そんな事は許されないのよ。だって、私達の未来にはちびうさがー」
「ちょっとうさぎぃ。何、私が生まれて来ないって決め付けてるのよ?」
「へ?」
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COMMENT
- 待ってました!
- from: ハル
やっと、やっと星野とうさぎの気持ちがつながったんですね。イヤ、つながってたけど表に出たっていうか。まもちゃん嫌いじゃないけどやっぱ星野には負ける・・・弱すぎて(暴言)ちびうさちゃんといるんですね。ちびうさ性格かわいくなさすぎて、こんな子が産まれるなら私なら衛と子供は作りたくないなーとか思った時期がありました笑 続き楽しみです~
- 2014/10/28 23:23 |
- 編集 |
- *Res
Re:待ってました!
- by まなか |
- 2014/10/29 08:51
確かに最初の頃のちびうさちゃんは小生意気でしたねwでも、こんなに素直で優しい可愛い子が生まれるのなら娘欲しいですよ~vしかし、もう、訪問者様がいないのかと思っていましたが、まさかあげて直ぐにコメントまで頂けるとは思ってもいなかったので、驚いていますwww有難うございます〜ヽ(*´∀`)ノ続き…。頑張ります!!また1年後にでもwww←